理研構造生物学セミナー

1.長田裕之主任研究員(長田抗生物質研)「ケミカルバイオロジーと薬剤の標的たんぱく質」

生命の複雑な制御機能を明らかにするため、低分子化合物は強力な武器となる。我の研究室では、ある特定の細胞機能を停止させる薬剤を、微生物から探索している。本セミナーでは、我々が見出した薬剤とその標的分子の相互作用解析の結果を紹介し、今後の共同研究の可能性を提案する。

2.伊藤幸成主任(伊藤細胞制御化学研)「糖タンパク質品質管理機構における糖鎖の役割」

糖タンパク質の品質管理は、小胞体、ゴルジ体から細胞質でのフォールディング、輸送、分解の課程を包括するものである。この現象は糖鎖の細胞活動の根幹への関与を示唆するものとして、糖鎖生物学に強いインパクトを与えている。我々のグループで行なわれてきた糖タンパク質糖鎖の合成研究により、様々なアスパラギン結合型糖鎖(高マンノース型)の精密合成が可能になっている。そこでそのポテンシャルを最大限に活用し、種々の高マンノース型糖鎖やその部分構造、更にそれらを含む糖タンパク質の有機化学的創成を行ない、品質管理機構における糖鎖の役割の解明をめざしている。本セミナーでは、小胞体内シャペロンカルレティキュリンの糖鎖認識を中心に紹介する。

日時 平成16年7月6日(火) 午前10時〜12時 (終了しております。)
場所 中央管理棟 講堂


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