放射光の性質と発生 - 放射光とは?


放射光の性質と発生 - 放射光とは?

高速で進む高エネルギー電子を加速すると、電磁波が発生します。とくに、「偏向電磁石(図1)」の中では、電子は円軌道上を運動することにより向心加速を受け、運動の接線方向に強い電磁波を放出します。 これが「放射光(シンクロトロン放射)」と呼ばれるものです。SPring-8(電子エネルギー:8GeV)の場合、遠赤外から真空紫外、軟X線、X線を経てガンマ線に至る幅広い波長域で白色放射光を得ることができます。
一方、N極・S極が交互に入れ替わる永久磁石で作られた「アンジュレータ(図2)」や「ウィグラー」といった「挿入光源」と呼ばれる装置では、電子は蛇行軌道上を運動します。曲げられるごとに発生した全ての放射光は進行方向上に重なり合い、輝度の高い放射光を発生します。特にアンジュレータの場合は、重なった放射光が干渉することによって、特定の波長においてさらに輝度の高い単色放射光を発生します。
図1 偏向電磁石
  • 垂直方向に鋭い指向性(水平方向には無指向性)を持つ。
  • 遠赤外からX線までの広い波長域で、連続的に分布する白色光である。
図2 アンジュレータ
  • レーザーよりも優れた指向性を持つ。
  • 特定の波長領域において輝度の高い単色光である。
図3 27mアンジュレータ