タンパク質構造決定ハイスループット化プロジェクト
最近、ポストゲノムの一つである構造ゲノム科学分野での国際協調・競争に関わる記事がマスコミを賑わせています。
構造ゲノム科学研究は、得られた膨大なゲノム情報に基づいて、系統的にたくさんの種類のタンパク質の構造を効率的で迅速に決められるようにしようとするものです。
このため、理化学研究所では、平成13年4月に構造プロテオミクス研究推進本部(RIKEN Structural Genomics/Proteomics Initiative,RSGI)を立ち上げました。
RSGIは、高磁場核磁気共鳴装置(NMR)による解析が中心の横浜研究所と、SPring-8を用いた放射光結晶構造解析を中心とした播磨研究所との播磨研究所との連携により、大量かつ迅速な構造解析を目指しています。
構造解析はもちろん、SPring-8に新たな構造ゲノム・ビームラインの建設をはじめ、タンパク質の発見に直接利用できる完全長cDNAクローンを用いてタンパク質を大量かつ簡便に発現スクリーニング・大量生産するための 無細胞システムなどのタンパク質の生産システムや結晶化条件の大規模スクリーニング技術、結晶解析データ収集の自動化、さらには結晶構造解析手法などの開発・改良を行いながら、構造ゲノム科学における国際貢献を目指します。
我が国発のゲノム製薬の実現等を目指した「タンパク3000プロジェクト」の中核的機関を理化学研究所が担います。
理研の播磨研究所(SPring-8)と横浜研究所(NMR)が連携しタンパク質の構造解析等を行います。