山下 敦子(構造生理学研究グループ、分子シグナリング研究チーム)による講演

Na+/Cl-依存性神経伝達物質トランスポーター(NSS)は,中枢神経系のシナプス細胞膜 に存在する膜タンパク質である.このファミリーのタンパク質は、細胞内外に存在す るNa+イオンとCl-イオンの電気化学勾配を利用して,シナプス間隙に放出されたドー パミン,セロトニン,γアミノ酪酸,グリシンなどの主要な神経伝達物質を細胞内に とりこむことにより,シナプス伝達を終焉させ次の信号の到来に備える役割を担って いる.また,その機能不全がうつ病をはじめ様々な精神疾患の原因となり,それらの 治療薬(抗うつ剤など)や麻薬・覚醒剤(コカインなど)の標的分子でもあることか ら,医学的・薬理学的にも重要な研究対象となっている.私たちはこれまでに安定な NSSホモログを細菌由来タンパク質から見いだし、その結晶構造解析および機能解析 を行って来た。そこからこれらのトランスポーターの機能についてどのようなことが わかってきたかについて、構造解析の実際にも触れながらお話ししたい。

日時 2007年11月30日(金)14:00〜 (終了しております。)
場所 構造棟セミナーA・B室
演者 山下 敦子(構造生理学研究グループ、分子シグナリング研究チーム)
演題 Na+/Cl-依存性神経伝達物質トランスポーターホモログのX線結晶構造解析および機能解析

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