メンブレンダイナミクス研究グループの講演

速度論的結晶学研究チームでは,反応過程におけるタンパク質の動きを捉え,タンパク質の分子装置の仕組みを詳細に解明することを目標として,速度論的結晶学の研究手法の開発とその利用研究を行っている。その一つとして、超高分解能X線結晶構造解析や中性子結晶構造解析によって得られる、酵素の水素原子を含めた精密構造に基づいた触媒機構の解明を試みている。本研究の対象である酵素エンドポリガラクツロナーゼ(endoPG)の反応は一般酸塩基触媒による酵素、基質、水分子間での水素(プロトン)の授受が反応の中心をなすと考えられている。我々は、endoPGおよびその生成物ガラクツロン酸との複合体の構造を1.0 Åを超える分解能で決定し、その触媒機構について初めて知見を得た。さらに、より高分解能での解析を目指して測定条件を検討した結果、0.7 Åを超える分解能のデータ収集に成功した。また、中性子結晶構造解析においても1.5 Å分解能でのデータ収集に成功している。講演では、我々が行ったこれらの解析で得られた結果だけでなく、その解析を可能とした結晶化やデータ測定の実際について紹介する。

日時 2005年4月14日(木) 16:00〜 (終了しております。)
場所 構造棟大セミナー室
演者 清水哲哉(メンブレンダイナミクス研究グループ・速度論的結晶学研究チーム)
演題 エンドポリガラクツロナーゼの超高分解能X線結晶構造解析および中性子結晶構造解析
連絡先 RMF世話人まで(城生体金属科学研:菊地 PHS3360)


前のページに戻る