宮野構造生物物理研究室の講演

我々は、タンパク質の3次元原子配列を、X線回折データから全自動で決定することを目指して、遺伝的アルゴリズム(GA)による構造決定法の開発を進めている。GAは、解空間の全探索が不可能と考えられるほど広大な解空間を持つ問題に有効な方法であるため、分子の位置・向きだけでなく、多数の分子内回転自由度(パラメータ)をもつ複雑なタンパク質の構造決定に有力な手法となり得ると考えためである。手法開発の最大の問題点は、その膨大な計算量にあったが、理化学研究所戎崎研究室の超高速専用計算機MDMを使用により、実際に解析を行う環境が整いつつある。
講演では、GAによるタンパク質構造決定手法について、決定する自由度(パラメータ)、アルゴリズム、評価関数等について紹介する。また、専用計算機の解析における役割と計算速度についても述べる。さらに、現状のシステムで行った既知構造の解析結果について解析法の性能と計算速度の二つの観点から報告する。最後に、実際の未知構造解析に使用した場合の現状の問題点なども合わせて紹介する。

日時 2004年12月20日(月)16:00 〜 (終了しております。)
場所 構造棟大セミナー室
演者 西堀 英治 先生 (名古屋大学 工学研究科 マテリアル理工学専攻)
演題 専用計算機を用いた遺伝的アルゴリズムによるタンパク質構造決定の試み
連絡先 RMF世話人まで(城生体金属科学研:菊地 PHS3360)


前のページに戻る