ご挨拶



紫綬褒章受章のご挨拶
2012年4月29日


6月6日 伝達式にて
平成24年度春の褒章において、図らずも紫綬褒章を受章することとなりました。SPring-8の硬X線ビームラインに標準的に使ってまいりました放射光X線光学系の開発を評価していただいたものでございます。これはSPring-8利用者の皆様が、ビームラインに遍在いたします二結晶分光器や全反射ミラーなどの光学系を使いこなして非常に優れた数多くの研究を進めてくださった結果でございまして、SPring-8の名を高めている数多くの皆様に感謝する次第です。

ふり返りますと、今回受章の対象となりました光学系開発を進めておりましたのは、平成4年ころまで遡り、既に20年を経過しております。沢山の優秀な若手共同研究者とともに、ビームライン・コンポーネントの規格化・標準化を進め、多くのビームラインを比較的短期間で整備することが可能となりました。この過程で開発したビームライン機器や、それにも増して、ここで育った若い研究者や技術者がSACLA建設の主力として働いたことは言うまでもありません。

SPring-8やSACLAが出す高輝度X線は、これからの科学と技術の開拓に必要不可欠なものであり、これらの更に先進的な利用方法を開拓して皆様に広く使っていただくことが、弊研究所の大きな使命です。今後とも登録機関・公益財団法人高輝度光科学研究センターの御助力もいただきながら、この使命の永続的な達成にむけての努力を続けていく所存ですので、皆様の変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

独立行政法人理化学研究所
播磨研究所長
放射光科学総合研究センター長
石川 哲也