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講演者のご紹介


石川哲也
理化学研究所
放射光科学研究センター長
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1982年  東京大学大学院工学系研究科修了 工学博士
1983年  高エネルギー物理学研究所 助手
1989年  東京大学工学部物理工学科 助教授
1996年  理化学研究所 主任研究員
2006年  理化学研究所 播磨研究所 放射光科学総合研究センター長
2017年  センター名改称により、放射光科学研究センター長

 
山内 和人
大阪大学
大学院工学研究科物理学系専攻 教授
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略歴:
昭和58年大阪大学大学院工学研究科前期課程を修了、昭和59年大阪大学大学院工学研究科後期課程を退学。同年大阪大学工学部助手に着任、平成3年に博士(工学)を取得。平成4年大阪大学工学部助教授、平成15年大阪大学大学院工学研究科教授に着任し、現在に至る。放射光光学系を対象に、X線光学素子、X線光学システムの研究開発などに従事。専門は精密加工、光計測、X線光学。SPIE・OSAフェロー。

講演要旨:
放射光光源を用いる最新のX線顕微鏡では、光学素子の著しい性能向上により、回折限界の性能が実現されつつある。本講演では、空間分解能の向上の立場から、光学系開発の現状について紹介する。特にミラー光学系において、代表的なX線顕微鏡の形態として、走査型顕微鏡、結像型顕微鏡、回折型顕微鏡を取り上げ、これらへの適用例を示し、空間分解能の向上に向けた最新の取り組みを紹介する。 

 
渡部 平司
大阪大学大学院
工学系研究科 教授
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略歴:
1990年、大阪大学大学院工学研究科修士課程修了。同年、日本電気(株)基礎研究所。1994年~1998年、アトムテクノロジー研究体(JRCAT)。1998年~2004年、日本電気(株)。2004年より大阪大学大学院工学研究科助教授。2006年、同研究科教授。2017年 栄誉教授。半導体表面界面科学を基軸とした次世代エレクトロニクスの研究開発に従事。博士(工学)。

講演要旨:
炭化珪素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)を用いた先進パワーデバイスは、電気自動車や様々な産業機器、さらには通信基地局等への導入が進んでおり、カーボンニュートラルと高度情報化社会の実現に欠かせない技術領域となっている。これらの半導体デバイスでは、原子レベルの表面界面反応がその性能に大きな影響を及ぼすが、これらの新材料半導体では、デバイス開発に必要な物性情報が蓄積されていない。本講演では、スイッチングデバイスの心臓部となる金属-酸化物-半導体(MOS)構造の分析評価を中心に、先進パワーデバイス開発における放射光利用分析技術の重要性について議論したい。

 
田辺 稔貴
株式会社 豊田中央研究所
執行職
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略歴:
学歴
1989年3月 名古屋大学理学部 卒業
1991年3月 名古屋大学理学研究科化学専攻 修士課程修了
2012年    名古屋大学 博士(工学)
主な職歴
1991年4月 株式会社豊田中央研究所 入社
1991年~2014年 排気浄化用触媒の研究開発に従事
2001年12月~2002年12月 アイントホーフェン工科大学 海外派遣
2003年9月~2004年3月 トヨタ自動車株式会社 出向
2015年2月 同社 触媒第1研究室 室長
2018年2月 同社 機械1部 部長
2019年7月 同社 要素研究部門 SEE※
2020年4月 同社 第1要素研究企画・推進室 室長
2021年4月 同社 エマージング研究企画・推進室 室長
2022年1月 同社 エマージング研究部門 部門長
2022年6月 同社 執行職
(現在に至る)
※Senior Executive Engineer

講演要旨:
豊田中央研究所では1990年頃からSi、SiC、およびGaNによるパワー半導体材料・デバイス研究を行ってきている。良好なデバイス特性を得るためには基板や界面での欠陥を低減・制御することが重要であり、欠陥構造・状態を評価する解析技術が基盤となる。本講演では X線トポグラフィー、X線吸収分光、透過型電子顕微鏡などを用いたマルチプローブ・マルチスケール解析の取り組み内容を紹介する。

 
早川 崇
東京エレクトロン株式会社
コーポレートイノベーション本部 部長
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略歴:
米系変導体メーカーにて装置エンジニア、プロセスエンジニア業務を経て、98年より東京エレクトロン(TEL)にて半導体製造装置の開発、プロセス開発に従事。その後、開発・マーケティングメンバとしてエッチング装置、枚葉成膜装置などの製品企画、また、自社複数製品に跨るモジュール開発をけん引。現在はTELにて、先端デバイスメーカーとの開発初期からの協業、新製品企画・開発、Open Innovationの推進、産総研、国内外の大学との連携を担務。

講演要旨:
最先端半導体デバイスでは、新材料、新構造の導入により微細化(ムーアの法則)を実現してきました。3次元トランジスタの導入、NANDメモリではシリコンウェーハ上での横方向の微細化から縦方向へ活路を見出し高集積化を実現、現在は200層以上のメモリ素子積層デバイスを実現しています。継続するムーアの法則、その実現に向けて多角化・多様化した装置技術・プロセス技術への市場要求を示し、同時にその開発に必要不可欠な測定・分析技術、先端分析技術の活用により開発効率・質の向上への期待を発表いたします。

 
遠藤 哲郎
東北大学 国際集積エレクトロニクス研究開発センター長
大学院工学研究科 教授
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略歴:
1962年 東京生まれ。1987年 東京大学理学部卒。1987年 東芝入社、NANDメモリの研究開発と事業化に従事。1995年 東北大学電気通信研究所講師に着任、同年 東北大学より博士(工学)を取得、その後、同助教授・同准教授を経て、2008年 同教授に昇任。同年 東北大学学際科学国際高等研究センター教授を経て、2012年 東北大学大学院工学研究科教授、現在に至る。加えて、2010年より東北大学省エネルギー・スピントロニクス集積化システムセンター 副センター長兼務、2012年より東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センター センター長兼務。2012年より仙台市国際産学連携フェロー、2017年より東北大学リサーチプロフェッサーを拝命。3DNANDメモリ、STT-MRAMやSOT-MRAMなどの高集積不揮発性メモリ、不揮発性ロジックや高性能CMOS回路など超低消費電力化アプリケーションプロセッサー、GaN on Siベースパワーエレクトロニクス技術に関する研究に従事。2016年産学官連携功労者表彰「内閣総理大臣賞」、3DNANDメモリの発明により、2017年全国発明賞などを受賞。

講演要旨:
本講演では、エレクトロニクス産業・自動車産業等のメガトレンドに基づき、世界で進んでいる半導体戦略動向を俯瞰すると共に、東北大学・国際集積エレクトロニクス研究開発センターでの取り組みを紹介する。具体的には、消費電力と演算性能のジレンマを解決するキー技術であるスピントロニクス省電力半導体技術、特に、STT-MRAM/SOT-MRAM等の省電力メモリ技術から、IoTマイコン/AIプロセッサ等の省電力ロジック技術の研究開発状況について議論をする。加えて、これらの先端半導体の研究における放射光に対する期待を議論する。

 

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