赤外分光やラマン分光などの振動分光技術は、官能基の分子振動に基づく情報を用いて物質の同定、定量、構造解析を可能としている。現在は、放射光赤外分光法やATR法を用いて対象とする物質の μmレベルの振動分光情報を取得している。X線・軟X線領域の放射光技術は、1 μm以下の超高空間分解能で測定することが可能となっており、強力な手法とし放射光ユーザーに利用されている。赤外振動分光においても、1 μm以下の超高空間分解測定に対する需要は非常に高いが、回析限界によりこれまでは達成が不可能であった。近年、プローブ顕微鏡と赤外分光技術を組み合わせた近接場赤外分光技術が急速に普及し、10 nmの微小領域を測定した報告がなされている。今回、ナノ赤外分光に焦点を当てって、技術情報を提供するとともに、物理・化学・宇宙科学・生物の基礎、法科学などの応用への展開の可能性に関して討論し、ナノ赤外分光の普及をはかりたい。
尾崎幸洋名誉教授(関西学院大学)
熊谷崇准教授(分子科学研究所)
池本夕佳主幹研究員(高輝度光科学研究センター)
Dr. Aina Nikolai(attocube systems AG)
薮田ひかる教授(広島大学)
藤井義久准教授(三重大学)
足立精宏 テクニカルスタッフ(理化学研究所 創発物性科学研究センター)
瀬川尋貴主任研究官(科学警察研究所)
主催 : 理化学研究所 法科学研究グループ
: 高輝度光研究センター 複合分光チーム
共催 : 日本分析化学会近畿支部
: SPring-8ユーザ協同体(SPRUC)研究会 放射光赤外研究会
形式 : 対面
日程 : 2024年7月25日(木)~ 7月26日(金)
場所 : SPring-8 放射光普及棟
言語 : 日本語(一部英語)